やっぱり無理だったと思う

新卒で勤めた会社の本社が拡大した上で東京に移転することになったらしい。多分業績も好調でいい感じなんだろう。

同期が続々退職し、他の同期が本社へ転勤する様を見てきて、当時いろんな思いがあった。僕としても本社に転勤してなんだかカッコ良さそうな生活をするのに憧れがあったのを覚えている。この社会で勝ちいてやろうみたいな気持ちがすごくあった。そしてやっぱり勝ち抜けなかったことには後悔と反省がないと言えば嘘になる。

本社に向かうコースはあったと思う。そしてそれは多分実現できたと思う。今思うと何を勉強すればいいかわかっていたし、周りからサポートを得ることもできたと思うから。

でもやっぱり無理だったと思う。

今小さな会社に勤めているが、それこそ性に合っている感じがとてもある。
地方で共働きしながら家庭単位でそれなりの収入を得ながら生活をする。理不尽なことも多いが、ある程度自由が効いて、不自由と戦いながら自分の手の届く範囲で生活をする。
大きな会社にいるときは「自分の」仕事、という意味ではとても良い意味でコントロールできたと思う。ここまで頑張れば大丈夫だろう、ここまでやればこういう評価が得られるだろう、というのがよく把握できていた。それもそれなりにうまくできていた気がする。
しかしながらそれは、僕にとっては自分の周辺のことをある程度無視して、がむしゃらにやらなければ達成できなかったことに思い当たる。そういう意味では、このスタイルで生きていくには、やっぱりキャパオーバーだったんだろう。

今の時代どこで働いても、それなりに生活するというスタイルは確率できるのかもしれない。ただしどういう風に対価を払って何かを得ていくのかというのはよく考えなければならないと思う。対価の払い方をよく考えた10年間だった。

そろろ年齢的に節目を迎える。そこそこの目標もある。
僕が選んだコースはベストではなかったと思う。それでもそれなりに満足して暮らし続けたいなという気持ちになっている。今考えると自分で言葉にしてきたことである程度自分を縛って生活してきた。
新卒の頃の期待と不安、焦りと憤りを忘れないようにしなければならないと思う。そうでないと僕の言葉にも、今まで言葉をぶつけてきた人たちにも嘘をついてしまうと思っている。

明日も仕事を頑張ろうと思う。それなりに。