そんな昔ではない楽しかった思い出 -Do you know Ivan?-
以前気のおけない友人と台湾に行って来た思い出です。
彼とは大学からの友人であり、元同居人であり、悪友でもある、とにかく気のおけない友人です。彼とは数年前からどこかに行こうと相談して旅行に行っています。前は韓国、前回が台湾、次はどこだろう。
まあともかく台湾に行ったわけですが、人の所有している空き家をホテルがわりに貸し出すAirbnbというサービスを利用し、宿泊をすることにしました。
Airbnbは宿泊費を抑えつつ、ある程度快適な宿泊をしたい人にはうってつけのサービスです。ただし、ホテル並みのサービスを期待するとダメです。ホストはあくまで素人、ホテル勤務のプロではないのです。よって説明を聞く時や交渉などもこちらのコミュニケーション力と想像力も必要です。
台湾に到着した後、途中で洗車を生業としている親切な青年に道を聞きつつ、飯を食べつつ、なんとか到着。
それなりにタフなチェックインを終え、ゲストハウスみたいなものなので、当然他のお客さんと会う可能性もあるのですが、それも旅の醍醐味なので楽しいものです。
ゲストハウス最初に出会ったのは白人風の老夫婦でした。聞けばロシアの方とのこと。
そんな中私の顔をみて、Do you know Ivan?と聞いてきました。
とても真剣な顔で、唐突に聞いて来るので、これは一体なんの意味があるのだろうと思いながらとりあえず知らないと答えました。この方達は台湾にロシア語の先生として来ているとのこと。
友人とあれはなんだったんだという話をしながら、「イワンはロシアの一般的な名前なので、日本が自動車メーカーのホンダやサッカー選手のホンダを知っているか聞くように、彼もちょっとしたジョークのつもりで聞いたのだろう、こちらもジョークで返せなかったのはあの夫婦を傷つけてしまったかもしれない。今度はこちらからDo you know Honda?と聞いてみることにしよう」ととりあえず結論づけました。
共同スペースに戻るとロシア人夫婦はまだご飯を食べていたので、早速Do you know Honda? と聞いてみたところ、そのおじいさんはスマートフォンで丁寧に操作を始めました。これは本気でイワンは知っているかと聞いて来たんだ、と少し焦ります。
インスタグラムというものがあります。おじいさんの方はインスタグラムである写真を見せてくれました。これがイワンだと。その写真はイワンとその友人が写っている写真でした。
そこで我々はこの話の全貌を理解できました。イワンの友人は私にそっくりだったのです。友人と私は思わず大笑いしてしまいました。夫婦も大笑いでした。
時間をかけて話してみると、イワンは息子で、プログラマーの友人の日本人がおり、その人物に似ているものだから思わず聞いてしまったということでした。ロシアと僕の顔にそんな繋がりがあるとはと思い驚いてしまいましたが、僕は一緒に写真を撮って友人との本格的な台湾旅行を開始するのでした。
英語はとても有能なツールです。英語が通じれば、今回のことはスムーズな解決できたかもしれません。しかしながら、言葉が分からないことが思いがけないコミュニケーションを生むこともあります。
だからといって外国語なんていらないなんていうつもりはありません。むしろ積極的に外国語は学ぶべきだと思っています。
僕が言いたいのはコミュニケーションのたのしさ。伝わらない中にも想像力や楽しさは見出せることです。
そんな感じでした。