猫とのケンカ

最近猫が冷たい。冬空のもとそうめん流しをするぐらい冷たい。そしてそっけない。

ご飯の時は足にスリスリくるし、顔をぺろぺろしてくるし、場合によっては髪の毛をはぐはぐしてくる。しかし、最近は腹の減った時にしかそういうことをしてこない。

頭をよしよしをしようとすると露骨に頭を避けてくるし、むしろ逃げていく。

最近病院に連れて行ったからなのか、子供に気を取られすぎなのか。子どもは妻に任せて猫に集中しようとしてもダメだ。僕は怒った。プンプン

僕は猫にあっかんべーをキメた。黒猫の変、秋の陣。
我が家には猫の昼ごはんと晩ごはん時間が決まっている。時間の少し前にお腹が減ったと頭をスリスリされても、定刻までご飯をあげなかった。魚を焼いている時に物欲しそうに台所にやってきても、「どうしたの?」と魚なんぞこの世には存在しないかのような口ぶりで話かけ、料理に集中した。

しかし猫はあまり態度を変えない。妻には腹を見せ、一緒に布団で寝る。僕に対してはご飯をあげる時だけだ。僕は君のコックさんなのか?

僕はまだ怒っている。プンプン。でも怒るよりも、心配の方が勝っている。まさか僕のことを嫌いになった?え、それは困る。

今彼はお気に入りの椅子の上で寝に入った。とても愛らしい。
彼に嫌われるのは大変困るので、優しく撫でてあげよう。不要なご飯やおやつはあげないけれども、愛を持ってご飯をあげよう。

少し負けた気になっているが、このままケンカを続けていても無意味である。彼は不愉快なことをされると欲望を満たされないことを理由に不愉快な事象を避ける。つまりこのままだと僕は避けられてしまう。
よって僕は彼に対してとても従順である。意地を張ってごめんよ、しげる